ゴツンゴツンと地面とブーツがぶつかり合う音がスラムの一角で鳴り響く。
男は苛立っていた。
久しぶりだった合言葉つきの依頼に、「たまにはちゃんと稼いでちょうだい、家主さん。」と愛しい彼女に言われ出掛けたのは2週間前だった。
連絡も無しにこんなに留守にしたことを彼女は怒っているだろうか。
そんな最悪な考えが頭を過ぎり、ダンテはその歩みを速めた。
Devil may cry
(・・・いない?)
心なしか綺麗に整頓された室内を見回しても目的の人物の姿を捉えることはできなかった。
―――嫌な予感は的中する・・・・か。
ダンテはあらゆる最悪な結末を振り払う為に血と埃で汚れたコートを脱ぎ捨てシャワールームへ向かった。
ッカタン・・・
突如聞こえた微かな音に滴る水を無視し飛び出した。
「きゃっ!!」
ダンテが今一番望んでいた声が聞こえる。
「ダンテ・・・身体冷たい、よ?」
いつもと様子が違うことに戸惑っているような気配がするが構わない。
「・・・」
小さく名前を呼ぶと彼女の小さな肩がぴくりと反応した。
「に会いたかった。いなくなったかと思った・・・」
そう言って抱き締める腕に力を籠めると、腕の中のは小さく身動ぎをした。
「苦しいよ、ダンテ。」
そう言って小さく微笑むに愛しさが膨れ上がる。
大きく口を開けの桜色の唇に噛み付くようなキスをしようとダンテは首を擡げたが、それは空振りに終わった。
ふいっと顔を逸らした。
「捨てられたのかと思った・・・」
溜息の後の彼女の言葉に目を見張る。
―――俺がを捨てるだって?そんなもの悪魔と仲良く手を繋いで踊るくらいありえない!
「たまには稼いできてだなんて意地の悪いこと言っちゃったから・・・愛想尽かされちゃったのかと思った。」
ぎゅっとダンテのウエストにしがみつくと「帰ってきてくれて良かった・・・」とぽつりと呟く。
素早く彼女を抱き上げると、すぐ傍のソファに静かに降ろし上から覆いかぶさると,
まだ何か言いたそうなの唇に噛み付く。
「んぅ・・・」
喉から甘く漏れる声にぞくりと肌が粟立つのを感じると、うっすらと開いた唇にするりと舌を差し込んでやる。
「連絡も無しに私をほったらかした罰・・・」
小さいがはっきりと聞き取れるボリュームで囁かれると「まさかオアズケか」と少し覚悟した。
軽く身を離すと続きの言葉を待つ。
するりとの白い腕がダンテの首に回されたかと思うと、ちゅっと耳元に小さなリップノイズが響いた。
「私を愛して・・・」
愛しい人からの甘い囁き
「okey darling」
ようやく微笑んだに、ダンテは優しい口付けを贈ると軽々と彼女を抱き上げ、今は少し長く感じる階段を足早に駆け上がって行った。
END
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あ・・・よく考えたらダンテ真っ裸じゃね?
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